ハンス・ウェグナーによるデザインのイージーチェア. GE290 teakです。1953年に発表されてから未だに生産が続けられ、世界中で高い人気を誇る人気モデルです。

デンマーク家具の中でも、GE290ほど「腰を下ろした途端に良さが伝わる椅子」は多くありません。見た目はシンプルですが、その奥にはウェグナーの緻密な設計思想と、GETAMAの高度なクッション技術が確かな理由となっています。実際に座ると、木の骨格の強さとクッションのやわらかさのバランスが自然に体に馴染み、長時間でも負担なく過ごせる心地よさがあります。この快適さは偶然ではなく、ウェグナーがメーカーの特徴を深く理解し、その強みを最大限に引き出した結果として生まれています。

GETAMAはもともとマットレスメーカーとして創業し、内部スプリングの構造や反発力の設計に強みを持つ会社でした。ウェグナーはこの技術に着目し、椅子のクッション構造にマットレススプリングの技術を合わせることで、他にない座り心地を実現しました。GE290のクッションが「沈み込みすぎず、支えすぎない」ちょうどよさを持つのは、この技術的背景があるからです。

またGE290の魅力の中心にあるのは、太い無垢材で構成されたフレームです。いかにも“板の椅子（Plank Chair）”と呼ばれたくなるほどシンプルな構造ですが、その直線的なラインの中に、ウェグナーらしい繊細な角度の計算や、スラットの美しい等間隔が息づいています。背面から見たときの印象も軽やかで、置く場所の雰囲気を損ないません。

GE290は実際の座り心地が非常に特徴的です。しっかりと全身を支えてくれる角度設定は、イージーチェアとしての安心感を強く感じさせます。背もたれが自然に身体の形に沿うように傾斜しているため、読書をしていても、音楽を聴いていても、ただぼんやりリラックスしたいときでも、体の力が抜けていくような心地よい感覚があります。

また、パドルアームと呼ばれる広い肘掛けも魅力のひとつです。腕を自然に置けるだけでなく、飲み物や本を一時的に置けるほどの面積があり、実用性も高いパーツです。無垢材で丁寧に削り出されたアームは触れたときの感触もよく、視覚的にもこの椅子の輪郭を決定づける重要な要素になっています。

GE290が特に優れているのは、デザインとしての完成度と、日常の道具としての快適さが完全に一致している点です。美しい椅子は世の中にたくさんありますが、「毎日使いたくなる椅子」は多くありません。その意味で、GE290は生活に自然と馴染み、長く付き合える“日常の相棒”のような存在です。ウェグナーが家具に求めた「質の高さ」「誠実なつくり」「体に寄り添うかたち」が、この一脚にすべて凝縮されています。

クッションはお好きな生地にて張り替えが可能でございます。
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※在庫2脚