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Finn Juhl

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Finn Juhl / イージーチェア. NV45 Teak / Niels Vodder

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デザイナー

Finn Juhl

製造元

Niels Vodder

素材

チーク、ファブリック

サイズ

W680×D780×H825×SH(mm)

フィン・ユールによるイージーチェアNV45は、彼のデザイン哲学とニールス・ヴォッダーの職人技が結びついて誕生した象徴的な作品です。1945年に発表されたこの椅子は、座面とフレームを切り離すという当時前例のない構造を採用し、張り地部分が宙に浮いているかのような軽やかさを実現しました。見た目の美しさだけでなく、人間の身体をやさしく包み込むように設計されており、芸術と実用の境界を超えた存在となりました。

 

ユールは家具職人ではなく、建築を学びながら独学で家具デザインに取り組みました。彼は彫刻や抽象美術から影響を受け、家具を単なる機能的な道具ではなく「有機的な彫刻」として捉えていました。この思想は、1939年に発表したペリカンチェアで既に現れていましたが、当時は奇抜すぎると酷評を受けました。その経験を経て、芸術的な発想をより洗練された形で具現化したのがNV45でした。彼にとって初めて広く評価された作品であり、デザイナーとしての転機を象徴する椅子でもありました。

 

制作を担ったのは、卓越したキャビネットメーカーであるニールス・ヴォッダーです。ユールの自由な発想は時に製作不可能と見なされましたが、ヴォッダーは技術力と探究心を駆使して形にしました。特にNV45のアームレストが木材から滑らかに枝分かれする三方向の接合部は、彫刻的な美しさと構造的な強度を兼ね備えた見事な造形であり、彼の工房だからこそ可能になった部分です。フレーム全体の曲線や木目の連続性もまた、単なる家具ではなく芸術作品のような表情を与えています。

 

さらに、NV45は使用される木材の選定にも独自性がありました。当時のデンマーク家具で一般的に使用されていたオークではなく、チークやローズウッド、ウォルナットなどを採用することで、より深みのある色合いと洗練された印象を持たせています。こうした素材の選択は、ユールが家具を「空間に置かれる彫刻」と考えていたことを示しており、木材の質感や経年変化を含めて、作品が時を超えて輝きを増すことを意図していたと言えます。

 

NV45は、芸術と家具の垣根を超えたユールの代表作であり、その美しさと背景にあるストーリーが、現代においても多くの人を魅了し続けています。

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