
Finn Juhl / アームチェア.BO72 / Bovirke
【内覧ご予約受付中】
デザイナー | |
|---|---|
製造元 | Bovirke |
素材 | チーク、レザー、真鍮 |
サイズ | W650×D530×H820×SH(mm) |
BO72アームチェアは、フィン・ユールが手がけ、家具メーカーBovirkeによって製造された作品で、デンマークモダンデザインの歴史において特別な位置を占めています。1946年に発表されたNV46チェアの発展形であり、芸術的なフォルムと機能性を融合させたデザインは、ユールの思想を象徴しています。特にフレームと座面を分離させて見せる構造は「浮遊感」を強調し、家具を彫刻的に表現するユールの姿勢を鮮明に示しています。
フィン・ユールは建築を学び、家具デザインは独学で取り組みました。その背景から、実用的な構造以上に造形的な発想を重視するスタイルが確立されました。彼の家具には常に「彫刻家の視点」があり、BO72もその理念を体現しています。アームやフレームの有機的なライン、座面が宙に浮いたように見える構造は、従来のデンマーク家具にはなかった軽快さを備えています。建築的論理と芸術的表現を融合したこの姿勢は、ユール独自の緊張感を生み出しました。
Bovirkeとの協業は、ユールにとって大きな転換点となりました。職人ニールス・ヴォッダーによる限定的な製作から、Bovirkeによる半工業的な生産へと移行したことは、デンマーク家具がより広い市場へと広がる契機となりました。BO72は、手工芸から産業的生産への移行を象徴する作品であり、その背景自体がデザイン史の中で大きな意味を持っています。
BO72の魅力は、その造形の流れと座り心地にあります。アームから背もたれ、そして脚部へと続く曲線は、途切れることなく一体感を生み出し、視覚的な軽やかさを演出しています。座面とフレームが分離して見える構造は、浮遊するような印象を与えながら、実際にはしっかりとした安定感を持っています。細部の仕上げは丁寧で、機能性を損なうことなく美的要素を前面に押し出しています。小さな違いが見られる個体ごとの表情は、当時の製作方法を反映しており、ユールの思想を体感できる要素として魅力を放っています。
今日、BO72はフィン・ユールのデザイン哲学を象徴する椅子として、その価値を失うことなく受け継がれています。美的表現と機能性を融合させた姿勢は、デンマークモダンが世界へ広がる過程を証明する存在です。BO72は、デンマークデザインの象徴のひとつとして、これからも語り継がれていくでしょう。
シートのレザーは現状でもお使いいただけるレベルのコンディションでございますが、お好きな生地での張り替えも承っております(別途費用がかかります)。お気軽にご相談くださいませ。









[チェックリストに追加]はまとめて複数の商品についてのお問合せが可能な機能です。

