
Finn Juhl / スペードチェア FD133 / France & SonSold Out
デザイナー | |
|---|---|
製造元 | France & Son |
素材 | チーク、ファブリック |
サイズ | W730×D740×H770×SH420(mm) |
フィン・ユールが1954年にデザインしたスペードチェアFD133は、彼のキャリアにおける重要な転換点を象徴する作品です。それまでのユールは熟練した職人との少量生産を主軸としていましたが、この椅子は国際市場を意識した工業生産を前提に設計されました。特に輸出を容易にするノックダウン構造は、デンマーク家具が世界へ広がるための革新的な仕組みでした。
この椅子は、フィン・ユールのデザイン哲学を明確に体現しています。彼は木製フレームと張り地部分をあえて分離させることで、座と背がフレームから浮いているように見えるデザインを追求しました。この独自の発想によって、家具に軽やかさと有機的なフォルムが生まれ、当時の機能主義的な家具とは一線を画しました。
製作を担ったのはフランス・アンド・サンで、同社の高度なチーク加工技術がユールの複雑なデザインを大量生産可能にしました。初期にはチーク材、後にはローズウッド材でも生産され、輸出市場で広く展開されました。特にアメリカ市場への普及に大きな役割を果たしたことが知られています。
スペードチェアは、チーフテンチェアのような芸術的でスケールの大きい作品と、ジャパンシリーズのような工業的で洗練された作品との中間に位置します。つまり、職人的な作品と工業的な作品を橋渡しする存在であり、ユールの二面性を最もよく表したモデルのひとつです。
現在でも実際の生活空間に受け入れられ、快適さと美しさの両立が再評価されています。素材の違いを問わず、人間工学的な配慮と造形美が一体となった椅子として広く認知されています。
ファブリックは張替えも可能でございます。(別途費用は掛かります。)お気軽にお問い合わせくださいませ。








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