
Hans J. Wegner / ママベアチェア.AP28 / AP-Stolen
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デザイナー | |
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製造元 | AP-Stolen |
素材 | チーク、オーク、ファブリック |
サイズ | W750×D800×H1030×SH(mm) |
ハンス・J・ウェグナーが1954年にデザインした「ママベアチェア(AP28)」は、彫刻的な造形美と人間工学的な快適性を融合させた椅子です。背もたれのウィングと、アーム先端の洗練された木部が特徴的で、空間に軽やかさを与えつつ、着座した人を優しく包み込む存在感を持っています。ウェグナーは「人と椅子の調和」を追求し、その思想がAP28に明確に表れています。
AP-Stolen社による製造は、当時の張りぐるみ技術の粋を集めたものでした。堅牢なフレームに麻やヤシ繊維、馬毛、綿といった天然素材を幾層にも重ねて仕立てられています。これらの素材は部位ごとに密度を変えながら配置され、背中や腰を的確に支える弾力と、長時間の使用にも耐える耐久性を実現しました。素材の組み合わせや厚みは職人の経験に基づ て微調整され、工業製品では得られない柔らかな座り心地を生んでいます。
背もたれは背中のカーブに自然に沿う膨らみを持たせています。寄りかかったときに柔らかさと反発力のバランスを維持するための工夫であり、ステッチを加えることで適度な張りを生み出しています。表面の張地も強く引き込みながら均一に仕上げられ、外観の美しさと内部の安定性が一体となるよう設計されています。
ヴィンテージのAP28は、このように天然素材を多用している点が現代の椅子と大きく異なります。現行の椅子ではウレタンフォームを主体とした素材が一般的ですが、AP-Stolen製のオリジナルは自然素材特有の通気性と経年変化が生み出す柔らかさを備えています。そのため、長い時間を経てもなお独特の風合いと座り心地を楽しめることが、ヴィンテージならではの魅力となっています。
ママベアチェアの真価は、見た目の造形美だけでなく、内部に隠された素材の選択と製造技術にあります。AP-Stolen社の職人たちが手作業で積み重ねた詰め物の層は、座り心地と耐久性の両立を可能にしました。その結果、この椅子は単なる家具ではなく、デンマーク・モダンの精神を体現する文化的遺産として今日まで受け継がれています。
こちらのチェアは張り替えも可能です。張り替えの際は熟練の職人により、当時のオリジナルの素材や張り方に忠実に張り替えをいたします。
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